2009/05/02

真野恵里菜

友人に重度のハロプロ・ウォッチャーがいる。

彼は別にハロオタという事ではなく、CDも買わないし、コンサートにも行った事がない。(一度一緒にミキティーを見に行った事があるが、それは俺が誘ったし、無料だった)
ハロプロに1銭たりとも金を落とした事がない男であるが、ハロプロの周辺事情に異常に詳しい。
メンバーの顔と名前を完璧に覚えるのはもちろんの事、ハロプロのビジネスモデルに精通し、ハロプロの内部事情を常にチェックし(おそらく2ちゃんで)、自分なりの考察を加え、会うたびにハロプロの興味深い話を自分に語ってくれる。
ファンでもないのに。

それがハロプロ・ウォッチャーである。

彼がなぜ、ハロプロをウォッチしているのかといえば、「モー娘。の終焉がみたい」という所から始まっている。
プロ野球のテレビ中継しかり、自分の勤めていた会社しかり、彼は散り行く事象を渦中から眺めていたい、そんな漢である。
そう、彼は広い意味でいえば「終焉ウォッチャー」なのである。

そんな彼はモー娘。の終焉をもう5年ほど待っている訳であるが、その間一線を超える事はなく、頑なまでにハロプロに金を落とす事を拒絶し続け、Berryz工房の登場にも眉一つ変えず、距離を保って冷静に分析し続けてきたその友人が、ついにハロプロに取り込まれた

友人のようなハードコア・ハロプロ・ウォッチャーをして、写真やPVを特に興味のない自分に頻繁にレコメンドしてくる単なるハロプロ・ファン(ちなみに本人はファンである事を否定しているが俺は認めねぇ)に転向せしめたハロプロからの刺客が「真野恵里菜」である。

普段、友人からのレコメンドはザクッとスルーしているのだが、ここら辺で一度きちんと向き合うべきだと思い、「真野恵里菜」について調べる事にした。

そう思い直すきっかけになったのはこのエントリー。

真野恵里菜をとことん知ろう大作戦 - ぶるふぉぼ。ディスプレイ

雑誌の掲載数が凄いらしく、

掲載数では黄金期と呼ばれる時代の娘。や軌道に乗り始めた頃の松浦亜弥を遥かに凌ぐレベル

とあり、想像している以上にボルケーノな感じなんだろうか。

同エントリーでプロフィールと略歴が掲載されているがこれがまた振るっている。
アイドル的プロフィールという意味で、ここまでそつのないものを見た事がない。
実際の人物像・経歴としてありうる範囲で、一分の隙もなくもぎたてジューシーなアイドル感を醸し出す秀逸なものだと思う。
おそらく、ピックアップの仕方がいいんだと思うが、ここはもう鵜呑みにしちゃって、真野恵里菜はナチュラルボーン・アイドルだという事でいいんじゃねぇかって気がしてきた。

ここでおなじみのWikipediaからの情報であるが、2008年6月に『マノピアノ』でデビューした。ただしこれはインディーズからの発売である。
ハロプロなのにインディーズという状況がよくわからないのだがまあ、そういう事らしい。

マノピアノ 真野恵里菜

生歌というのは買うが、曲も歌唱力も、ん〜、という感じ。
それが友人のレコメンドをスルーしていた理由である。
アイドルは歌が下手でも別にかまわないと思うのだけど、健気さとか、一生懸命さが感じられないと共感できない。
真野恵里菜は健気さはあると思うのだけど、ピアノが割とちゃんと弾けちゃってる分、共感が割り引かれる気がする。

そして2枚目がこの曲。

ラッキーオーラ 真野恵里菜

はっきり言って、これはヒドい。
真野恵里菜がどうとかじゃなくて、曲がヒドい。
なにより言葉のチョイスがヒドいし、歌詞の内容が壊滅的にヒドい。

要するにこの歌は、完璧主義の真野ちゃんが男に誘われて浜辺に行って、二人で戯れながら、たまに失敗してみなよ、と男に言われて、水平線まで飛ばされそうな、圧倒的に神々しいラッキーオーラを見る。という内容である。

このラッキーオーラがなんなのかわからないから、なにをどうとらえていいのかさっぱりわからない。
真野ちゃんが元々霊感が強かったのか、男の背中の方角に太陽があって、それがラッキーオーラに見えたのか、完璧主義を諌められて人生観を変えられた真野ちゃんの世界の見方が変わったのをラッキーオーラというメタファーで語っているのか。
いずれにしても残念な女である、という感想しかひねり出せねぇ。

そんなんでいいのか? と問いたい。
アイドルと虚構性は相性がいいはずなのだが、虚構というか廃墟感すら漂っちゃってる歌詞世界なので、さすがの真野ちゃんのアイドル性を持ってしてもこれは救われねぇ。

そして自分的にはどうでもいい、歌詞もなんか投げやりな「ラララ-ソソソ」を挟んで、ついにメジャーデビューが決定したそうだ。曲がこれ。

はっきり言おう。これは好きかもしれない。
PVから楽曲から歌唱から、剥き立てのゆで卵のように、純粋で艶やかで瑞々しく無垢なアイドルソングだと思った。
今これをてらいなくやってハマる子ってあんまりいない気がする。

なんというか、長年友人からハロプロ関係の話を聞いてきて、その理解の限りでは、こういうアイドルが出てきた、というところで感慨を覚えた。
個人的な意見を言わせてもらうと、あややとか作為的すぎるでもなく、Berryz工房とかC-uteとか狙いすぎでもなく、モー娘。とかざっかけなさすぎでもない、本来の意味でアイドル(偶像)としての距離感を保てそうな、程よい感じの正統派アイドルがついにきた、という感じである。
インディースからデビュー、とかアングル効かせすぎな気はしないでもないが、まあそれはよしとしよう。

ここまで持ち上げといてなんだが、まあ、だからといってファンになったかというとそんな事は全然なくて、友人が勧めてくる限りはちゃんと見ようといった具合です。

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